座らないと履けなかった51歳が、片足でサッと履けるようになるまで

片足立ちで靴下を履く練習をする50代女性のイメージ

「靴下を履くとき、いつのまにか座っている」
「片足立ちで靴下を履こうとすると、グラッとして怖い」
そんな覚えはありませんか?
実はこれ、年齢のせいだけではありません。今日は、座らないと靴下が履けなかった51歳のお客様が、3ヶ月でバランス感覚を取り戻すまでの話と、その裏側にある理由、今日からできる練習法をお伝えします。※内容はご本人の同意のもと、プライバシーに配慮して再構成しています。

① 「靴下は座って履くもの」になっていませんか?

Sさん(51歳・会社員)が最初のカウンセリングでおっしゃったのは、こんな一言でした。「靴下、いつからか立ったまま履けなくなったんです」。

本人も気づかなかった小さな変化

忙しい朝、椅子やベッドの端に座って靴下を履く。それ自体は、決して悪いことではありません。ただSさんの場合、「試しに片足立ちでやってみてください」とお願いすると、2秒ほどでグラッと体が傾いてしまいました。

本人は「まさか自分がここまでバランスが悪いとは」と驚かれていました。実はこの「片足立ちで靴下が履けるかどうか」は、体の内側で起きている変化に気づく、とてもわかりやすいサインなのです。

階段や電車でも、同じことが起きている

よく思い出してみると、Sさんは電車の中で必ずつり革をつかんでいました。階段では手すりに軽く触れていないと不安。これも、片足立ちが不安定なこととつながっていたのです。

「バランスが悪い」というと大げさに聞こえますが、実際には靴下・電車・階段といった、毎日の当たり前の場面に静かに表れています。

② なぜ片足立ちがつらくなるのか

片足立ちが不安定になる理由は、ひとつではありません。3つの力が同時に弱くなっていくことで起こります。

理由1:お尻の横の筋肉が使われていない

片足で立つとき、体を左右に倒れないよう支えているのは、実はお尻の横(中殿筋という筋肉)です。座っている時間が長い生活では、この筋肉を使う機会がほとんどありません。

使われない筋肉は、年齢に関係なく力が弱くなります。Sさんも「お尻の横なんて意識したことがなかった」と話していました。

理由2:足の裏で地面を感じる力が鈍る

片足立ちのバランスは、足の裏が「今どちらに体重が傾いているか」を感じ取り、瞬時に筋肉へ指令を送ることで保たれています。この感じ取る力(感覚センサーの働き)は、使わずにいると少しずつ鈍くなります。

厚めのクッション性の高いスリッパや靴を一日中履いていると、足裏が刺激を感じにくくなることも一因です。

理由3:「怖い」という気持ちがさらに体を固くする

一度グラッとした経験があると、次はその前に無意識で身構えてしまいます。体がこわばると、かえって細かいバランスの調整がしづらくなり、余計に不安定になる。この悪循環に入っている方は少なくありません。※体感や進み方には個人差があります。

3つが重なって、はじめて「グラッ」が起きる

大切なのは、この3つはどれか1つだけが悪いのではなく、少しずつ重なって初めて「グラッ」という結果につながっている、という点です。Sさんの場合も、お尻の横の筋肉・足裏の感覚・気持ちの身構え、この3つがそれぞれ少しずつ弱まっていました。どれか1つだけを直そうとしても変化が出にくいのは、こうした理由からです。

③ 3ヶ月で起きた変化

Sさんには、週2回のトレーニングの中で、お尻の横の筋肉を使う種目と、片足立ちの練習を少しずつ取り入れていきました。

1ヶ月目:壁を触りながら5秒

最初は壁に指先を添えたまま、片足立ちを5秒キープすることから始めました。「これだけでふくらはぎが疲れる」と驚かれていましたが、それだけ普段使っていなかった証拠です。

2ヶ月目:手を離して靴下に挑戦

2ヶ月が経つ頃には、何も触らずに片足立ちで10秒ほど耐えられるようになりました。ここで初めて、朝の身支度で片足立ちの靴下履きに再挑戦。「まだ少しふらつくけど、前より全然マシ」という段階でした。

3ヶ月目:階段の手すりを卒業

3ヶ月目には、片足立ちで靴下を最後まで履けるようになり、電車のつり革にも「軽く触れる程度」で済むようになったそうです。「階段の手すりから手が離れていることに、自分でも後から気づいた」と話してくれました。

体重や見た目の変化ではなく、「日常のふとした瞬間が、いつのまにか変わっていた」というのが、この3ヶ月の一番の成果でした。

④ 今日からできる「片足バランス」練習法

Sさんが最初にやった練習は、特別な道具もいらず、テレビを見ながらでもできるものです。

ステップ1:壁の前で5秒片足立ち

壁や机の近くに立ち、指先を軽く添えられる状態で片足を上げます。5秒キープしたら足を替えて、左右3回ずつ。転んでも支えられる場所で行うのが安心です。

ステップ2:慣れたら目を閉じてみる

壁に触れたまま片足立ちができるようになったら、次は目を閉じて同じことをしてみます。目からの情報がなくなると、足の裏の感覚だけが頼りになり、センサーを鍛える良い練習になります。ふらついたらすぐ目を開けて大丈夫です。

ステップ3:歯みがきタイムに片足立ち

歯をみがいている2分間だけ、左右の足を交互に上げてみてください。「何かをしながら」取り入れると、わざわざ時間を作らなくても続けられます。

靴選びも味方につける

クッションが厚すぎる室内履きは、足裏の感覚を鈍らせる一因になります。家の中では、できるだけ薄手のスリッパや裸足に近い状態で過ごす時間を作ると、足裏のセンサーが働きやすくなります。買い物のときは、靴底が薄すぎず適度に地面を感じられるものを選ぶのも一つの工夫です。

※ふらつきが強い方、めまいや持病のある方は、無理をせず必ず支えのある場所で行い、不安がある場合はかかりつけの先生にご相談ください。

⑤ まとめ

  • 片足立ちで靴下が履けるかどうかは、バランス感覚の衰えに気づく身近なサイン
  • 原因はお尻の横の筋肉の弱まり・足裏の感覚の鈍り・「怖い」という気持ちの3つが重なって起こる
  • 壁を使った5秒片足立ちから始めれば、3ヶ月ほどで日常の「ヒヤッ」が減っていく

バランス感覚は、体重や見た目のように数字で見えるものではありません。だからこそ、気づいたときにはずいぶん衰えていることも多いのです。BLANCO FITNESSでは、体験トレーニングの中で片足立ちの状態を一緒に確認しています。「最近つまずきやすい」「靴下がしんどい」と感じている方は、ぜひ一度お試しください。

あなたのバランス感覚、その場で確認できます

BLANCO FITNESSでは、体験トレーニングの中で片足立ちや重心のかけ方をチェックしています。どこの筋肉が弱くなっているのか、わかりやすい言葉でお伝えします。運動がはじめての方も安心してお越しください。

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土士田康平(BLANCO FITNESS代表トレーナー・NSCA-CPT)

この記事の執筆・監修

土士田 康平BLANCO FITNESS 代表トレーナー

NSCA認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)。ベストボディジャパン関東大会出場。立川で開業5年・指導実績100名超、トレーナー養成の専門学校講師も務める。

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