立ち姿勢のクセが腰の張りに|台所仕事がラクになる立ち方のコツ

キッチンで洗い物をしながら立ち姿勢を意識する40代女性のイメージ

「洗い物をしていると、いつのまにか腰が重くなってくる」
「気がつくと、いつも同じ足に体重をのせて立っている」
そんな覚えはありませんか?
座り方に気をつけている方は多いのですが、実は「立ち方」を気にしている方はとても少ないのです。台所に立つ時間は、1日で合わせると意外と長いもの。その時間の立ち方が、腰やお尻の張りをつくっていることがあります。今日は、道具も時間もいらない「立ち方」のコツをお伝えします。

① あなたの立ち方はどのタイプ?かんたんセルフチェック

まずは、ご自分の立ちグセを知ることから始めましょう。特別な道具はいりません。今から2つの方法で確かめられます。

チェック1:靴の裏を見てみる

よく履いている靴を2足、床に並べて裏を見てください。左右で減り方が違っていませんか。

片方の外側だけがすり減っている、片方のかかとだけが目立って減っている。こうした違いが出ているなら、立つときの体重のかけ方が左右で偏っているサインです。靴は、毎日の立ち方を正直に記録してくれています。

チェック2:3分間、自分を観察する

次に、洗い物や料理をしているときの自分を思い出してみてください。または、次に台所に立ったときに3分だけ意識してみてください。

「右足に体重をかけて、左のお尻を少し突き出している」
「お腹を前に出して、腰を反らせてもたれかかっている」
「片足を少し前に出して、そこにのっている」

このどれかに当てはまる方は、とても多いです。実は私がお客様の姿勢を見せていただくときも、こうしたクセを持っている方が大半です。

気づくことが、すでに半分

ここで大切なのは、「悪いクセだ」と自分を責めないことです。体は無意識にラクなほうを選んでいるだけで、あなたのせいではありません。まず「自分はこう立っているんだ」と気づけたら、それだけで大きな一歩です。

② 片足重心がラクに感じてしまう理由

「なぜラクなほうがよくないの?」と思われますよね。ここを知っておくと、直す気持ちが自然とわいてきます。

筋肉ではなく、関節にもたれている

片足に体重をあずけて立つと、その瞬間はたしかにラクに感じます。なぜなら、筋肉を使わずに、股関節(脚のつけ根の関節)や腰の骨に体を「あずけて」いるからです。

荷物を持つときに、腕の力で持ち上げるより、腰にのせたほうがラクに感じるのと同じ理屈です。ただし、あずけられた側は少しずつ疲れていきます。

片側だけに負担が集中する

たとえば体重55キロの方が、右足に7割の体重をかけて立ったとします。右足には約38キロ、左足には約17キロ。倍以上の差です。

この状態を1日30分続けるとして、1年で約180時間。同じ側の腰やお尻、太ももの外側だけが、休みなく働き続けることになります。「いつも右の腰だけが重い」という方は、ここに理由があることが少なくありません。

骨盤が傾き、体が横に流れる

片足重心が続くと、骨盤(腰の中心にある大きな骨)が左右で高さの違う状態に慣れてしまいます。すると立っていないときも、体はその傾きを「まっすぐ」だと勘違いします。

肩の高さが左右で違う、スカートがいつも同じ方向に回ってしまう。こうした変化は、立ちグセから始まっていることがあります。※感じ方や変化には個人差があります。

③ 今日からできる「疲れにくい立ち方」3つのコツ

ここからが本題です。難しいことは一つもありません。台所に立ちながら、今日からできる3つをお伝えします。

コツ1:足を「こぶし1つ分」あける

まず、両足のあいだをこぶし1つ分ほどあけて立ってみてください。足の裏は、両方とも床にぺったりつけます。

足をそろえすぎると体が不安定になり、体はどちらかに寄りかかろうとします。少しあけるだけで、左右に体重をのせやすくなります。つま先はまっすぐ前か、ほんの少し外に向けるくらいで大丈夫です。

コツ2:体重を「土踏まずの少し前」にのせる

次に、足の裏のどこに体重がのっているかを感じてみてください。目安は、土踏まずの少し前あたりです。

かかとにドンとのっていると、体は後ろに倒れないように腰を反らせます。これが腰の張りにつながります。反対につま先だけにのると、ふくらはぎが疲れます。真ん中より少し前、と覚えてください。

わかりにくいときは、その場で軽く前後に体を揺らしてみてください。いちばん力が抜けて、フラつかない場所があります。そこが目安です。

コツ3:おへその下に、そっと力を入れる

最後に、おへその5センチほど下に、軽く力を入れます。強くお腹をへこませる必要はありません。「息を吐きながら、そっと締める」くらいで十分です。

ここに力が入ると、腰が反りすぎるのを内側から防いでくれます。ずっと続ける必要はなく、思い出したときに数秒でかまいません。

裸足よりスリッパを。足元も味方につける

フローリングに裸足で長く立つと、足の裏が固い床から直接刺激を受け続けます。クッションのあるスリッパや、台所に薄手のマットを敷くだけでも、立っている時間の負担はやわらぎます。

ちなみに、シンクの高さが低くて前かがみになってしまう方は、まな板の下に薄い台を置くのも一つの方法です。体を高さに合わせるより、高さを体に合わせるほうがずっとラクです。

④ 台所仕事の合間にできる30秒リセット

正しい立ち方を意識していても、長く立てば体は固まります。そこで、お湯が沸くまでの30秒でできるリセット法をご紹介します。

その1:かかと上げ(10回)

シンクの縁に軽く手を添えて、両方のかかとをゆっくり上げて、ゆっくり下ろします。これを10回。

ふくらはぎは「第二の心臓」とも呼ばれ、下に溜まった血液を押し戻すポンプの役割をしています。立ちっぱなしでむくみを感じる方には、特におすすめです。

その2:お尻をキュッと締める(5秒×3回)

立ったまま、左右のお尻に力を入れて5秒キープ。ゆるめて、また5秒。これを3回。

お尻の筋肉は、骨盤を安定させる大事な場所です。片足重心が続くとサボりやすくなるので、意識して「起こして」あげます。誰にも気づかれずにできるのが良いところです。

その3:足踏み(左右10回ずつ)

その場で、太ももを軽く持ち上げて足踏みをします。左右10回ずつ。

片側に固まっていた体重を、強制的に左右へ入れ替えることができます。「ずっと同じ足にのっていたな」と気づいたときの、いちばん手軽な仕切り直しです。

完璧を目指さなくて大丈夫

正しい立ち方を1日中キープする必要はありません。むしろ不可能です。大切なのは「あ、また右足にのっていた」と気づいて、そのたびに直すこと。この繰り返しが、少しずつ体の記憶を書き換えていきます。

※腰やお尻、脚にしびれや強い痛みがある方、持病をお持ちの方は、自己判断で続けず、必ずかかりつけの先生にご相談ください。

⑤ まとめ

  • 靴の裏の減り方と、台所での3分観察で、自分の立ちグセに気づける
  • 片足重心は筋肉ではなく関節にもたれた状態。片側だけに負担が集中し、腰やお尻の張りにつながる
  • 「足をこぶし1つ分あける・体重は土踏まずの少し前・おへその下にそっと力」の3つと、30秒リセットで立ち方は変えられる

立ち方のクセは、長い時間をかけて体にしみついたものです。ですから、直すのにも少し時間がかかります。そして厄介なことに、自分では「まっすぐ立っているつもり」でも、実際には傾いていることがほとんどです。BLANCO FITNESSでは、まず今の姿勢を一緒に確認するところから始めています。「自分の立ち方が合っているか見てほしい」という方は、体験トレーニングでお気軽にご相談ください。

あなたの立ち方のクセ、その場でお伝えします

BLANCO FITNESSでは、体験トレーニングの中で姿勢のチェックを行っています。どちら側に体重が偏っているのか、どの筋肉がサボっているのか。ご自身では気づきにくいところを、わかりやすい言葉でお伝えします。運動がはじめての方も安心してお越しください。

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土士田康平(BLANCO FITNESS代表トレーナー・NSCA-CPT)

この記事の執筆・監修

土士田 康平BLANCO FITNESS 代表トレーナー

NSCA認定パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)。ベストボディジャパン関東大会出場。立川で開業5年・指導実績100名超、トレーナー養成の専門学校講師も務める。

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